小説1冊の文字数は?文庫・ラノベ・同人誌の目安を徹底解説

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「これから小説を書き始めたいけれど、いったい何文字くらい書けば1冊の本になるのだろう?」 このように考えた経験はありませんか。

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小説執筆という大きな挑戦を前に、具体的な文字数の目安が分からず、不安を感じる方は少なくありません。

特に、商業出版でよく見かける文庫本の文字数が1ページあたりでどう計算されるのか、あるいは人気のラノベ一冊の文字数は一般小説とどう違うのかは、多くの方が抱く疑問です。

また、創作活動として同人誌を考える方にとっては、一般的な文庫本の文字数と比べて同人活動ではどうなのか、目標とされる同人小説10万人というボリュームは現実的なのか、といった点も気になるところでしょう。

さらに、ご自身の作品が3万字の小説だった場合に何ページになるのか、そもそも短編と呼ばれる小説の文字数はどの程度なのか、そして執筆した文字数を正確に把握するための小説の文字数カウント方法まで、知りたい情報は多岐にわたります。

この記事では、そんな「小説1冊の文字数」に関するあらゆる疑問に答えます。

商業出版から同人誌まで、様々なジャンルの目安を網羅的に解説し、あなたの作品作りの指標となる情報を提供します。




「小説1冊の文字数」の全体像を掴む

  • まずは一般的な小説の文字数の目安
  • ラノベ一冊の文字数はどれくらい?
  • 短編と呼ばれる小説の文字数とは
  • 正確な小説の文字数カウント方法
  • 文庫本の場合の文字数は1ページ何文字か
  • 3万字の小説が何ページになるかの計算


まずは一般的な小説の文字数の目安

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小説を1冊の本として考える場合、その文字数はジャンルや判型(本のサイズ)によって異なりますが、一つの基準として文庫本であれば10万字から12万字程度が一般的な目安になります。

これは多くの出版社から刊行されている文庫小説が、この範囲内の文字数で構成されているためです。

また、専門的なテーマを扱うことが多い新書も、8万字から12万字程度が目安とされており、文庫本と近いボリューム感であることが分かります。


もちろん、これはあくまで平均的な数値です。例えば、読み応えのある長編大作では20万字を超えるものも珍しくありませんし、逆にテーマを絞ったビジネス書などでは6万字から8万字程度で1冊にまとめられるケースも増えています。


したがって、「絶対に10万字書かなければならない」というわけではありません。

しかし、市販されている本に近い体裁を目指すのであれば、この10万字という数字は執筆のモチベーションを保つ上で、良い目標になると考えられます。



ラノベ一冊の文字数はどれくらい?

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ライトノベル(ラノベ)の場合、一冊あたりの文字数は一般的な文芸小説と少し異なる傾向があります。

結論から言うと、同じページ数であってもラノベのほうが文字数は少なくなることが多いです。


なぜなら、ラノベはキャラクター同士の会話(台詞)が中心で構成されることが多く、頻繁に改行が用いられるからです。

台詞の前後や情景描写の合間に意図的に空白行が挿入されることもあり、1ページに占める文字の密度が低くなる傾向にあります。


具体的な文字数としては、6万字程度の比較的短い作品から、13万字を超えるボリュームのある作品までと幅が広いです。

人気のシリーズ作品などでは、物語の展開に合わせて文字数が変動することも珍しくありません。


もしあなたがラノベの執筆を目指しているのであれば、単純な総文字数だけを追うのではなく、会話のテンポや改行による「間」の使い方も意識することが、読者を引き込む作品作りへの鍵となります。



短編と呼ばれる小説の文字数とは

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これまで長編を前提とした話を進めてきましたが、小説には「短編」という形式も存在します。

では、どのくらいの文字数から短編と呼ばれるのでしょうか。


これには厳密な定義があるわけではありませんが、一般的には400字詰め原稿用紙で20枚から60枚程度の作品が短編小説に分類されることが多いです。

文字数に換算すると、およそ8,000字から24,000字が目安となります。


さらに、これよりも短い、原稿用紙数枚程度の作品は「ショートショート」や「掌編小説」と呼ばれます。


短編小説は、限られた文字数の中で物語を完結させ、読者に深い印象を残す技術が求められる形式です。

新人賞などでは、この短編・中編(原稿用紙100~300枚程度)の規定文字数で作品を募集するケースも多く見られます。

これから小説を書き始める方が、まずは物語を完成させる達成感を得るために、短編から挑戦してみるのも良い方法と言えます。



正確な小説の文字数カウント方法

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執筆を進める上で、現在の文字数を正確に把握することは非常に大切です。文字数を知ることで、物語の進捗管理やページ数の予測、印刷コストの見積もりなどが可能になります。


なぜ正確なカウントが必要か

文字数は、本の「厚み」に直結します。印刷会社に入稿する際には、総ページ数を確定させる必要があり、その計算の基礎となるのが文字数です。

また、同人誌など自費で出版する場合、ページ数が多ければ多いほど印刷費用は高くなります。

そのため、予算内で本を作る上でも、文字数の正確な把握は欠かせません。


Wordなどワープロソフトの活用

最も手軽で一般的な方法は、Microsoft Wordなどのワープロソフトに搭載されている文字カウント機能を利用することです。

多くのソフトでは、画面の下部にリアルタイムで文字数が表示されたり、メニューから「文字カウント」を選択したりすることで、文書全体の文字数や単語数を確認できます。


このとき、**「スペースを含めるか、含めないか」**を選択できる場合があります。

印刷データとしての文字数を考える際は、スペースを含めない設定でカウントするのが一般的です。


フリーウェアの利用

より詳細なカウントを行いたい場合や、特定の挙動(例えば改行をどう数えるかなど)を管理したい場合には、専用のフリーウェアを利用するのも一つの手です。

有名なものに「Nanmoji」などがあり、テキストファイルを選択するだけで簡単に文字数を計測できます。


いずれの方法を用いるにせよ、定期的に文字数を確認する習慣をつけることが、計画的な執筆活動につながります。



文庫本の場合の文字数は1ページ何文字か

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ご自身の原稿が何ページになるのかを予測するためには、まず「1ページあたりに何文字入るのか」を知る必要があります。

市販の文庫本を例に取ると、1ページあたりの文字数は約600字が基本的な設定です。


これは、多くの文庫本が「1行あたりの文字数」を40字前後、「1ページあたりの行数」を15行前後に設定していることから算出される数字です(40字×15行=600字)。


ただし、この「600字」という数字は、あくまで文字でページを埋め尽くした場合の最大値である点に注意が必要です。

実際の小説では、前述の通り、会話による改行、情景描写のための空白行、章の始まりの余白などが多用されます。

これらの要素によって、1ページあたりの実際の文字数は変動します。


ライトノベルのように改行が多い作品では1ページあたり300字程度になることもありますし、逆に学術書のように文字が詰まった本では500字以上になることも考えられます。

このため、600字はあくまで計算上の目安として捉えておくのが良いでしょう。



3万字の小説が何ページになるかの計算

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では、前のセクションで解説した1ページあたりの文字数を使って、具体的な計算をしてみましょう。

仮にあなたが「3万字」の小説を書き上げ、これを文庫本にしたいと考えたとします。


単純に計算式に当てはめてみます。

  • 計算式: 総文字数 ÷ 1ページあたりの文字数 = 総ページ数
  • 当てはめ: 30,000字 ÷ 600字/ページ = 50ページ

計算上は、3万字の小説は約50ページの文庫本になる、ということになります。しかし、これはあくまで理論値です。

実際の本作りでは、本文以外にも様々な要素が含まれます。

  • 扉ページ(タイトルや著者名が入るページ)
  • 目次
  • 前書き、後書き
  • 奥付(発行日や印刷所情報などを記載するページ)

これらのページが加わる上に、前述の通り、本文ページも改行や余白によって1ページあたりの文字数が少なくなるため、実際の総ページ数は50ページよりも多くなります。

経験則的には、3万字の小説であれば、文庫本形式でおおよそ70~90ページ程度の本に仕上がる可能性が高いと考えられます。



同人誌制作と小説1冊の文字数の関係

  • 同人活動で見る文庫本の文字数
  • 目標にしたい同人小説10万字とは
  • 文字サイズや行間でページ数は変わる
  • 本のサイズ(判型)と文字数の関係
  • まとめ:最適な小説1冊の文字数とは

同人活動で見る文庫本の文字数

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同人誌として小説を制作する場合、商業出版ほど厳密な文字数の規定はありません。

しかし、多くの作り手が「読み応えのある1冊」を目指す中で、ある程度の目安が形成されています。


同人活動で文庫本サイズの小説を作る際、一つの区切りとされるのが5万字です。

5万字の原稿は、レイアウトにもよりますが約100~120ページの本になることが多く、手に取ったときに「本らしい」厚みが感じられるボリューム感になります。

ページ数が少なすぎると本が華奢な印象になり、背表紙にタイトルを入れるのが難しくなる場合もあるため、100ページ前後というのは見栄えの点でも一つの目標とされています。


もちろん、2万字程度の短編集や、逆に10万字を超える長編など、作品の内容や作者の意図によって文字数は自由です。

大切なのは、文字数に縛られることよりも、自分が書きたい物語を適切な形で読者に届けることだと言えます。



目標にしたい同人小説10万字とは

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同人小説の世界で、しばしば一つの大きな目標として語られるのが「10万字」という数字です。

これは、商業出版されている一般的な文庫本に匹敵するボリュームであり、書き手にとって大きな達成感と自信を与えてくれます。

10万字のボリューム感

10万字の小説は、文庫本にすると約200ページになります。

これは市販の小説と比べても遜色ない厚みで、しっかりとした読書体験を読者に提供できます。

背表紙にも余裕をもってタイトルをデザインできるため、本棚に並べた際の見栄えも良くなります。


挑戦する上での注意点

一方で、10万字という文字量は決して少なくありません。

専業の作家でない限り、執筆には数ヶ月から一年以上の長い期間が必要になることもあります。

モチベーションを維持しながら物語を破綻なく書き切る構成力も求められます。


また、ページ数が増えることは、そのまま印刷コストの上昇に繋がります。

特に少部数の印刷では1部あたりの単価が高くなるため、予算とのバランスを考えることも大切です。

10万字は魅力的な目標ですが、まずは短い作品から挑戦し、徐々に文字数を増やしていくのも賢明な選択です。



文字サイズや行間でページ数は変わる

これまで文字数とページ数の関係について解説してきましたが、ページ数を決定するもう一つの重要な要素が「レイアウト」、特に文字サイズ行間です。


文字サイズ(フォントサイズ)

本文に使われる文字の大きさは、pt(ポイント)という単位で表されます。

一般的な文庫本では8ptから10ptが主流です。文字サイズを大きくすれば1ページに入る文字数は減り、ページ数は増えます。逆に小さくすれば、ページ数を抑えることが可能です。


ただし、文字が小さすぎると読者がストレスを感じてしまいます。

特に読者層の年代が高い場合や、学習用テキストなどでは、10.5ptから14ptといった大きめのサイズが推奨されます。

読者が快適に読めることを最優先に考えましょう。



行間の設定

行間とは、文字の行と行の間のスペースのことです。一般的に、行間は文字サイズの1.5倍程度に設定すると、読みやすいとされています。

例えば、文字サイズが10ptであれば、行間は15ptが標準的な設定です。


行間が狭すぎると、ページ全体が黒く詰まった印象になり、読者は圧迫感を覚えます。一方、行間を広く取ると、ゆったりとした落ち着いた印象を与えられますが、広すぎると間延びしてしまい、かえって読みにくくなることもあります。

文字サイズとのバランスを見ながら、最適な行間を探ることが大切です。



本のサイズ(判型)と文字数の関係

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本の物理的なサイズ、すなわち「判型(はんけい)」も、1ページあたりに入る文字数を大きく左右する要素です。

ここでは、代表的な判型と1ページあたりの文字数の目安を比較してみましょう。


判型が大きくなればなるほど、1ページに収容できる文字数は増えるため、同じ文字数の原稿でも総ページ数を少なくできます。


判型一般的なサイズ1ページあたりの文字数(目安)特徴・主な用途
文庫本 (A6)105×148mm600~800字小説、同人誌。携帯性に優れる。
新書103×182mm600~800字文庫本より縦長。教養書、ビジネス書。
四六判127×188mm500~700字単行本で最も一般的。ビジネス書、エッセイ。
A5判148×210mm1,000~1,500字教科書、専門書、同人誌。図版を入れやすい。

このように、どの判型を選ぶかによって、本の仕上がりの印象やページ数、そして印刷コストも変わってきます。

例えば、文字数が多い原稿をコンパクトに見せたい場合はA5判を選び、逆に少ない文字数でも厚みを持たせたい場合は文庫本を選ぶ、といった戦略が考えられます。

ご自身の作品内容やターゲット読者、予算に合わせて最適な判型を選択することが求められます。



まとめ:最適な小説1冊の文字数とは

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この記事では、小説1冊の文字数に関する様々な情報をお届けしました。

最適な文字数に絶対的な正解はありませんが、今回解説したポイントを理解することで、ご自身の作品作りにおける具体的な目標設定が可能になります。

  • 一般的な文庫本の文字数は10万字から12万字が目安
  • ラノベは会話が多く、同じページ数でも文字数が少なくなる傾向がある
  • 短編小説は8,000字から24,000字程度が一般的な範囲
  • 本のページ数は「総文字数 ÷ 1ページの文字数」で概算できる
  • 文庫本の1ページあたりの文字数は約600字が計算上の基本
  • 実際のページ数は改行や余白、扉などの影響で計算より多くなる
  • 同人誌では5万字(約100ページ)が一つの区切りとして意識される
  • 同人小説10万字は商業文庫に匹敵するボリューム感の目標
  • 文字の正確なカウントにはワープロソフトの機能が便利
  • レイアウト設定は本の読みやすさとページ数を左右する重要な要素
  • 本文の文字サイズは8ptから10ptが標準的
  • 行間は文字サイズの1.5倍程度に設定すると読みやすい
  • 本の判型(サイズ)によって1ページに入る文字数は大きく異なる
  • A5判は文庫本の1.5倍以上の文字を収容できる場合がある
  • 最終的な文字数やページ数は、物語の内容と読者層、予算を考慮して決定する



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